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 『子供の貧困Ⅰ』 (つなぐ図書館 No.001)

子供のウエル・ビーイングのために!子供の笑顔で溢れる未来を目指して

『子供の貧困Ⅰ』 日本の不公平を考える (岩波新書)

 

OECD諸国の中で日本の子どもの貧困は第2位です。子どもが虐待にあい亡くなるニュースも日々目にし、一部の特殊なケースではなく、すべての人の身近にある問題になっています。
日本の子どもの貧困について客観的なデーターを提供しながら、検証なさっている阿部彩先生の「子どもの貧困」を今一度読み返してみました。

 


 

誰しも、楽しくて温かな家庭を築きたいと思っているけれど親の年収によって子育ての環境は大きく異なっているようです。
全てではなく確率の話ですが、貧困家庭の子育ては単にお金が不足するだけでなく休日子供と十分に遊べない、子供のことで相談相手が家族の中にいない
病気や事故などの際子供の面倒を見てくれる人がいないなど家庭環境や生活経験などの違いになって現れています。

母子家庭で母親が子供と過ごす時間は平日平均46分とも出ています。
私自身もひとり親で子供を育て、息子ともっと話したり遊んだりしたいと思いながらも、仕事にも必死な時期でしたので息子に話しかけられてもパソコンに向かいながら息子の目も見ず、話を聞いてしまい、いつの間にか、息子は「今、話してもいい?」と聞くようになっていました。息子が成人した今でもその頃の息子の気持ちを思うと本当に胸が痛みます。
経済的に自立することは勿論重要ですが、同時に子供にとって、親とのコミュニケーションやスキンシップはとても大切です。母子世帯の状況で見てみると日本のひとり親世帯の就労率は非常に高いけれど経済状況が厳しく、政府や子供の父親からの援助も少ない。そのため子どもと過ごす時間は無くなり、働きすぎて体を壊してしまう人もいます。
十分な所得保障と教育費の無料化などによる教育・機会の平等の確保、そして子供のケアなどのサービスの提供、仕事と育児の両立ができるように親や養育者に対する支援が必要なのです。
子供も親も少しの余裕が持てることで随分気持ちが楽になれます。
私たちのつなぐいのち基金でも、シニアのボランティアの方々のお力をお借りして、子供のケアをはじめとした育児支援・子供支援をいずれは公益目的事業として広げてゆきたいと考えています。

 

子供期の生活の充足と、学力、健康、成長、生活の質、そして将来の様々な達成(学歴、就労、所得、結婚など)には密接な関係があり、貧困はその時点で様々な事に悪影響を与えるだけでなく「不利」な条件として蓄積され抜け出すことが難しく、次の子供たちへも連鎖しています。
私たちはそのことに鈍感であるようです。
具体的に上げると外国の出身階級や人種と言った社会を分断する社会階級と同じように、日本人の意識の中では学歴が大きな位置を占めています。
ほとんどの親が高校までは行かせたいと思っていますし大学にも90%以上が行かせたいと望んでいます。
しかし、自分の子どもではないと、希望するすべての子どもが短大・大学に行けるべきだと思うのが42.8%、高校では61.5%です。
このような状況では教育の平等や機会の平等は支持されません。
不利な状況にいる子どもたちがハンディを乗り越える機会が与えられない社会
になってしまっています。
さらに貧困家庭の子どもたちは、子供が12歳以下の時点ですでに経済的理由により高等教育を受けさせられないと考えている親の元で勉強に対する意欲や希望を失ってしまい悲しい事に「頑張っても仕方ない」という考えを持ってしまうようです。
子どもの幸福度(ウエル・ビーイング)は幸福という感情だけでなく尊厳と機能が保たれている状態です。
子どもの基本的な物品的充足が満たされて、健康と安全が脅かされる事がない中で高い教育は達成されます。又良い教育の元こども自身が満足の行く生活を送る事ができます。

日本ではすべての子どもが享受すべき最低限の生活は他の先進諸国に比べて低い傾向にありますがそれすらも満たされていない子どもが存在しています。
最低限の義務教育、医療制度、最低生活保障と戦後の日本の経済成長と社会保障の発展の中で達成されたと考えられていた様々な貧困を防ぐためのセーフティネットが充分な機能を果たせなくなっています。現行の行政システムでは解決が期待しにくい中、民間の相互扶助での実現が必要です。
高齢者の方々に子供たちの支援をして頂くことにより、高齢者の方々には、次世代に期待を持ってなおかつ生き甲斐を感じていただけるよう、子供たちと高齢者の方々をつなぐ仕組みを、つなぐいのち基金は作りたいと思っています。

 


 

今後、子供たちの現状をさらに知っていただけるようシリージとして書籍を紹介してまいります。

現行のすべての子どもが享受すべき最低限の生活と教育を社会が保障できるようになることが、子供のウエル・ビーイングにつながります。
幸せな子どもの数を増やせるよう、つなぐいのち基金と一緒に課題に取り組み、
支援していただけますよう、お力をお貸しください。
子供の笑顔で溢れる未来を目指して。

(代表理事 鵜居 由記衣)