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平成29年度対象事業 助成先レポート

助成先取材レポート NPO法人みらいの森

郁文館グローバル高等学校 福祉ゼミとの協働プロジェクト「あいりすプロジェクト」の活動として
高校生と一緒に2017年度事業対象の助成先団体 のインタビュ-取材と助成事業の進捗状況の確認にお伺いしたものを取材レポートして報告いたします。

 

【高校生 インタビュー取材】

 

私たち、郁文館グローバル高等学校1年生と3年生の2人は10月11日に公益財団法人つなぐいのち基金の助成先である特別非営利活動法人みらいの森に訪れ、エグゼクティブ・ディレクターである岡さんとスタッフの高橋さんに取材・インタビューをさせていただきました。

■みらいの森のご紹介 ビジョンとミッション (HPから引用)

ビジョン・・・NPO法人みらいの森は、全ての子どもたちが平等に活躍する機会を持つ日本社会の実現を目指します。
ミッション・・・NPO法人みらいの森は、児童養護施設で暮らす子どもたちのためにアウトドアプログラムを通じて生涯の糧となる体験を創り出し、幸せで実りある成長をサポートします。

法人HP  https://mirai-no-mori.jp/ja/

 

■活動概要

NPO法人未来の森では自分に自信を持って社会に活躍できる力を育てるために3つのキーワードを大切にしています。

まず一つ目がアウトドアでの冒険です。このプログラムでは雄大で大自然の中様々な体験、新しい挑戦をし、自分に自信をつけたり新しい仲間を得たりして自分自身に新たなスキルを身に着けています。

二つ目が実践的な英語学習です。多様な価値観に触れることで、子どもたちは自らの視野を広げ、新しい文化を知り、楽しくリラックスして英語を学んでいます。

三つ目がロールモデルからの学びです。「思いやり」「責任感」「尊敬」「リーダーシップ」「勇気」の5つの理念を軸としたエネルギーに溢れたあたたかい雰囲気作りを心がけ、誰もがありのままの自分でいられるような環境を整えています。

■年間プログラム

みらいの森では現在大きく分けて3つのプログラムを全国の児童養護施設の子どもたちに提供しています。

1つ目はサマーキャンプ/ウィンターキャンプです。
このキャンプの狙いは子どもたちと楽しく安全で、一生思い出に残るキャンプを創り上げることです。世界中から集まったインターナショナルで優しく、ポジティブなスタッフが良いロールモデルとなり、英語でのコミュニケーションとアウトドア体験を通じて、子どもたちの自信と自尊心を育みます。4泊5日のカリキュラムに基づいて構成されたハイキングや沢登りなどのアクティビティは小学1年生から中学3年生までの幅広い年代層に対応できるようにデザインされています。

2つ目は自然つながりプログラムです。
このプログラムでは参加者同士の再会により、継続的な人間関係を作り、交流を深める機会を提供しています。自然つながりプログラムはメインのアウトドアキャンプを補完する週末日帰りのプログラムです。広い空の下で企画される楽しく実践的なプログラムを通じて、子どもたちは自然についてより深く学ぶ事ができます。

3つ目はリーダー実習プログラムです。
このプログラムはキャンプに参加する次のリーダーを育成するためのもので、児童養護施設のキャンプに参加経験のある子どもたちを対象としたものです。アウトドア体験・国際交流体験を通じた1年間にわたるリーダーシッププログラムで、子どもたちはこのプログラムを通じて協調性や主体性などを身につけ、自分に自信を持って社会で活躍できる力を育むことができます。

■岡さんと高橋さんの活動のきっかけ

岡さんと高橋さんはもともと専門科目として社会福祉について学んでいたわけではないのですが、アウトドアアクティビティを通じて自分なりに子どもをサポートしたいと考えたそうです。
また、児童養護施設の(原則として)18歳で施設を退所しサポートがないまま生きて行かなければならない子どもたちが、どんなプログラムを通じたら生きる力を身につけることができるのかということを問題意識として持たれていたそうです。

岡さんと高橋さんは、良い大学に進学し大企業に就職することだけが子どもの幸せにつながるのではなく、自分が選択した道を歩み、実りある成長を得ることが子どもの幸せにつながるのだという信念のもとにこの活動に力を入れているとお話をしてくださいました。

 

■取材を終えて

このプログラムは児童養護施設の子供達がアウトドアな活動をすることで自分にできることを新たに発見することができたり交流しやすい環境を入り込めたりするので子供達にとって何らかのチャンスを掴める場所だと思いました。
児童養護施設で生活を送る子供が増えている中、子どもたちが自由に自然の中で活動できる機会はあまりありません。なので、みらいの森のプログラムにもあるようにリフレッシュできる環境、自分自身を出せる場所を提供する必要があるのだと改めて感じました。
(高校1年K)

私はみらいの森の子どもに対するサポートの理念にとても感動しました。みらいの森は子どもたちのまさに「生きる力」を育んでいると私は思います。普段の教科書を使った学習では得られない学びを、自然の豊かな場所で子どもたちがお互いに協力しあいながら学び成長できることはとても素晴らしいことだと思います。私自身も高校生としてただ知識を身につけるだけでなく、そうしたコミュニケーション能力や協調性が自分にも必要だと感じました。そして今回お二人からアウトドアの魅力についてたくさん教えていただいたので私もチャレンジしてみようと思います。みらいの森が提供しているようなプログラムを児童養護施設の子どもたちだけでなく、全国の機会に恵まれていない子どもたちにも提供してほしいと思いました。
(高校3年A)

※ 高校生のプライバシー保護のためイニシャルとさせていただいています。

 

 

 


【公益財団法人 助成選考委員会 選考委員 よりご報告】

◇助成対象事業

2017年サマーキャンプ事業における児童養護設の子供たちと引率職員のキャンプへの招待

下記の一部を当財団で助成させていただきました。

<2017年 サマーキャンプ実施計画>

実施場所 宮城県花山青少年自然の家
日程
①2017年7月31日から8月4日
②2017年8月7日から11日
③2017年8月14日から18日
参加予定人数 3回のキャンプを通じて
計90名のキャンパー (児童養護施設で生活する子供達)
15名のリーダー実習生(児童養護施設で生活する高校生)、21名の引率職員
上記の方々を無料でキャンプに招待することを目標とします。

 

◇助成事業の目的

(申請書より抜粋)
厚生労働省 児童養護施設入所児童等調査の結果(平成25年2月1日現在)によると、「社会的養護下」におかれている子ども達、特に児童養護施設で暮らしている子ども達は、以下のような状況におかれています。

・2015年、約47,000人の子供達が家庭を離れて、里親・児童養護施設等で生活している。うち、約30,000人の子供達が児童養護施設で暮らしている。
・児童養護施設に入所している子供達の入所理由で一番多いのは、「父または母からの虐待」で、約4割にのぼる。また、児童養護施設に入所している子供達の約6割は「被虐待経験あり」の状態である。
・そのため、児童養護施設がその指導上一番留意している点は、子供達の「心の安定」である。
・また、児童養護施設に入所している子供達の約8割が「両親または一人親あり」の状態であるが、約2割の子供達は家族との「交流なし」の状態である。

児童養護施設では、職員や関係者の多大な尽力により、子どもたちが安心して生活できる居場所の提供が行われています。しかし、多くの子どもたちは未だ、「心の傷」「深刻な学習支援不足、低い進学率」「指導者からの助言やロールモデルとの触れ合いの不足」「18歳で迎える早すぎる自立後の、 支援とセーフティネットの不足」のような不十分な支援の中での生活を強いられています。

その先に待っているのは、低い大学進学率や将来性のない職業、ワーキングプア、ホームレス、風俗業との関わりなど、明るい未来とは言えません。自身の子どもも児童擁護施設へ入れざるを得なくなるケースもあり、これらが積み重なることで、「貧困の連鎖」「虐待の連鎖」といった負の連鎖の可能性が高まります。こうしたことは、多くの若者の可能性が失われると同時に、日本社会にとっても社会的かつ経済的な損失とつながります。

みらいの森のキャンプやアウトドアプログラムは、「アウトドアでの冒険」「実践的な英語学習」「継続的な関わりと、ポジティブなロールモデルからの学び」の3つをキーワードに、子どもたちが直面する負の連鎖を、自己実現と創造性に溢れたポジティブなサイクルへと変換するための第一歩なのです。

2011年の第一回サマーキャンプから2016年までに、述べ444名の子供達がみらいの森のサマーキャンプを経験し、その中から次世代のキャンプリーダー 13名が実習生プログラムを終了しました。

 

◇助成事業の実施状況

予定通り、この夏のキャンプが開催されました。

1. 実施日程 / 参加者数

セッション1 (2017年 7月 31日 ~ 8月 4日
参加人数 57 人(内訳:小中学生 33人,高校生 1人 、引率職員 8人)

セッション2 (8 月 7 日 ~ 8月 11日)
参加人数 53 人(内訳:小中学生 28人,高校生 2人 、引率職員 7人)

セッション3 (8 月 14 日 ~ 8月 18日)
参加人数 43 人(内訳:小中学生 21人,高校生 4人 、引率職員 6人)

参加者合計 110名 (内訳: 小中学生 82人、 高校生 7人、引率職員 21人)

上記以外に、10ケ国から16名のキャンプスタッフが参加されたそうです。


2. 実施場所

宮城県花山青少年自然の家
住所: 〒987-2511 宮城県栗原市花山本沢沼山61−1


3.参加の声

参加した子ども達から
「来年までにもっと英語を話せるようになり、スタッフともっと会話できるように頑張る」
「キャンプパスポートにスタンプをもらえるのが嬉しくて、いっぱい英語を喋った」
「モリンピックでチーム一丸となって戦ったのが楽しかった」
「”勇気”のバッジを選んだので、今日は勇気を出して手を上げて、みんなの前で意見を発表した」
「クラフトで作ったお守りを、雨の中のハイキングをみんなで無事帰れるように持ち歩いた。今は部屋に思い出と飾って、キャンプを時々思い出すのが嬉しい」
「早押しクイズで、「Water break」と発音良く言えて拍手してもらえて嬉しかった。学校の英語も頑張ろうと思った」

引率職員さんから
「日常から離れて自然の中で最高のスタッフとキャンプをすることで、子どもたちはたくさんのことを学んでいるなと実感しています。」
「子どもたちが自分で頑張っている姿や、チームメイトと協力している姿が多く見られ、1日目と最終日では表情や行動が変わり成長している姿があり感動したと共に、自分も頑張ろうと思えて成長するきっかけになりました。」
「子どもたちが更に成長していけるよう、今回の様々な成功体験を今後の自然に役立てていきたいと思います。」
「今年もサマーキャンプにご招待いただきありがとうございました。子どもたちに、また1つかけがえのない思い出が加わりました。子どもたちが大人になった時、この思い出は財産となり、生きていく上での糧になると信じております。また、子どもたちが親になった時、このアウトドア体験・国際理解体験を自分たちの子どもたちにも経験させていくことで、みらいの森の活動が本当に未来に繋がっていくことと信じております。これからもよろしくお願いいたします。」

このキャンプの中で、みなさまからのご支援による助成金は、キャンプ参加者全員に渡す「キャンプパスポート」制作費の一部として活用いただきました。


◇活動でどんな効果を期待してるのか?

サマーキャンプでの様々な経験や仲間とも交流を通じて、参加した子供達は、自分に対する自信や自尊心を持てるようになり、英語を使ったコミュニケーションに意欲をもやすようになるなど、ボジティブな成果が現れています。

また、引率してきた施設職員も、日常と異なる環境の中で子供達を見ることによって、これまで気がつかなかった、ひとりひとりの潜在能力を気付いたりできました。

 

◇助成選考委員会 選考委員から

印象的だったのは、かなり遅い時間に訪問させていただいたにも関わらず、溌溂とした笑顔のお二人だったことです。岡様、高橋様をはじめ関わられる方々のあふれる思いと活動を通してご自身も素敵なフィードバックを得ることができている証拠でもあるのだろうと感じました。
相対的貧困が約5人に1人という状況下で、食事やモノが不足している子どもたちも多いですが、それ以上に児童養護施設をはじめ多くの子どたちが家庭、地域、社会の中で得られるべき経験が不足していると思荒れます。みらいの森さんは、さらに多くの外国人も参画していることで、さらに多くの体験を提供されていることにあらためて共感しています。
取材を通して、助成先として選考させていただけたことを改めて良い選考ができていると確信することができました。
多くの方の寄付等のご支援を、フェアなスタートラインに立つことができない厳しい状況にある子どもたちの支援につながっているとご報告できることを嬉しく思います。

さらなる支援の輪が拡がることを期待しております。引き続きよろしくお願いいたします。

 


 

みらいの森さん主催のサマーキャンプの特徴と具体的なアクティビティーをご紹介します。

 

 

みらいの森の国際色豊かなカルチャー

みらいの森の特徴の一つとして挙げられるのは、キャンプ中にキャンパーが実際に英語を楽しく身につける機会があること。国際色豊かなスタッフは、キャンプに参加する子どもたちには、自らの可能性を広げるツールとしての英語を習得てほしいと、きっかけを提供。子どもたちが「英語」という武器をしっかりと手にすることで、出会いの幅を広げ、将来の可能性を切り拓くことができるよう、一人一人に寄り添う。

 

みらいの森キャンプ伝統「キャンパー・オブ・ザ・デイ」

キャンプ生活の中で、“みらいの森が大切にする5つのこと”をその日一番の行動で示したキャンパーを毎日表彰する賞のこと。「English Effort (英語を楽しく、がんばって使う)」「Camp Spirit (キャンプ魂)」の2つの賞があり、毎日スタッフと施設引率職員の皆さんが話し合って表彰者を選びます。表彰されたキャンパーのやる気がさらに高まるのはもちろんのこと、表彰する側のキャンパーたちにとっても、仲間のすばらしい点 を認め、次は自分もと向上心を燃やし、キャンプ生活を楽しもうという気持ちを新たにする絶好の機会。

 

 

自主性を育む、野外調理

料理が得意な子には、格好の活躍の場であり、料理の経験がない子にはちょうどいい練習の場となる。火おこしや野菜のカットなど、チームごとに分担し、子どもたちが中心となって調理を行う。「子どもたちの表情は「やらされている」ではなく『やりたい!』『挑戦したい!』という生き生きとした表情でした」と引率職員さんからコメントがあるように、子どもたちの責任感、自主性を育む。

 

大自然を満喫、1日かける沢登り

安全に配慮した上で、チャレンジングなコースを設定することで、活動後の達成感を共有することができる。飛び込みの出来る滝では、十分な時間をとり、恐さを乗り越え挑戦する気持ち、仲間からの応援への感謝の気持ちを育む。また、学年を混ぜた縦割りのグループ構成により、助け合いの雰囲気が自然と生まれ、他施設間の交流も促進される。

 

NEW! みらいの森のキャンプソング「We are a team」

2016年に作詞作曲された、みらいの森オリジナルのキャンプソング。スタッフが、みらいの森のためにと歌詞を考え、試行錯誤して作曲しました。ダンスを楽しみつつ、じっくりそれぞれ歌詞を理解し、覚えていってもらいたいという想いから、歌詞は全て英語。いつか、「歌詞を全部覚えたよ!」とキャンパーに歌ってもらうことが私たちの夢。We are a team. みらいの森は、みんないつでも戻ってきていい場所だよ、ということを伝える。

 

NEW! みらいの森「モリンピック」

これから先何年も続いていくキャンプに、伝統を取り入れたいという想いから、毎年恒例チーム対抗アクティビティ、に「モリンピック」専用のトロフィーを作成。東京Wood Workさんにプロボノで作成いただいた、世界に一つしかない、素敵な木のトロフィーに、頑張ったチームの名前が刻まれる仕組み。たくさん個性のある人が集まるからこそ「team」になれるというメッセージを込め、7種類もの海外・国産の木材を集めて作成。チームワークや、キャンプスピリットでポイントを集めていくこのアクティビティは、仲間を信頼し、ぶつかりながらも同じ目的に向かって協力し合うスキルを育む。