助成先取材レポート

きらきらになって無事に家に帰る!を「つなぐ」、だから、きらきら蛙!!

助成先レポート『NPO法人きらきら蛙』インタビュー

助成事業 子どもの体幹トレーニング「友だちいっぱい きらきら蛙」は全4回で開催予定です。
その第二回トレーニングが平成27年7月18日に開催されました。
今回、活動状況などレポートするため取材・インタビューをさせていただきました。

1. NPO法人きらきら蛙さんのご紹介

多くの保護者の方の福祉サービスへのご要望により設立され、
みんながきらきらに輝いて、無事家に帰る、若返る、よみ返るというおもいを込め運営されている認定NPO法人です。

(JPより転載)
ともだちいっぱいきらきら蛙(放課後等デイサービス、児童発達支援)では、一人一人の個性をのばし、手足を思いっきり動かすダンスや和太鼓、造形、音楽などを通して、発達をサポートします。また、隣にある児童館の調理室を借りて、調理実習も積極的に行っていきます。畑を通して、野菜を育て、収穫する大変さを実感したり、普段は当たり前のように出てくるごはんですが、みんなが協力し作ることによって、食べ物への感謝の心を学びたいと思っています。

また、友だちいっぱいきらきら蛙では、心、身体、生活、がバランスよく整うよう、取り組み、友だちと一緒に、学び、築き、たくさんの経験を作りたいと思います。

■定款に記載されている目的は?
「この法人は、障害のある方及び高齢者に対して、就労、技術修得支援、生活支援、余暇活動、行動援護事業、あずかり支援、障害児通所支援、相談支援等に関する事業を行い、障害のある方及び高齢者の生活及び生活クオリティー向上や社会参画拡大に係る問題の改善や解決を図り、活力ある地域社会の向上と社会福祉の増進に寄与することを目的とする。」

定款の目的なので表現が硬いですよ。
下段の水野理事長のインタビューで、生き生きと語っていただいているので、そちらもご覧ください。

■設立以来の主な活動実績
障害者の学校や作業所への移動支援(毎日)
障害者の為の余暇支援活動(週1回)
障害者の買い物や掃除洗濯等の居宅支援サービス(毎日)
放課後等デイサービス(月~土)

■団体の活動・業務
障害者自立支援法に基づく、障がい者福祉サービス、地域生活支援事業、障害者移動支援、余暇支援、放課後等デイサービス、児童発達支援事業、相談支援事業
保健、医療又は福祉の増進を図る活動。
環境の保全を図る活動。
職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動。
まちづくりの推進を図る活動。
社会教育の推進を図る活動。

2. 助成事業について

事業名    体幹トレーニング「友だちいっぱい きらきら蛙」
事業概要  健常児障害児が一緒にできる体幹トレーニングを通した健全育成支援

■事業の目的・ニーズ
障がいのある方は、健常者とくらべバランス感覚を保つのが難しく、自分でコントロールしにくいため、運動不足になりがちで、中高生ともなるとそれがストレスにつながってしまったりします。
そこで、室内でも簡単に鍛えられる専用の器具・ツールを使って、体幹を鍛えることで、運動不足やストレスの解消、障害の緩和が期待できます。
障がいのある方が、地域社会と交われる身体づくりを子供のうちから取組めるような場を提供します。

■実施内容と見込まれる効果
普段から何気ない時間に無意識に体幹器具に触れてもらうように支援をし、自分自身のボディーコントロールの能力を高めていきます。そして、定期的に専門知識のあるインストラクターを呼んで、体幹トレーニング教室を開催します。
(効果)
・人との交流の中から、人との接し方を学び、優しい、思いやりのある人間性を育むことができます。
・障がいのある児童には必要不可欠な体幹トレーニングを遊びの中から専門知識のある人から学ぶことができます。
・体幹トレーニングを療育の中の一つとして設けることで、自分自身のボディーコントロールができるようになります。

3. 取材インタビュー

平成27年7月18日に開催された助成事業である体幹トレーニングの第2回目の会場へ取材におじゃまさせていただきました、水野理事長、インストラクターの坪内先生、ご利用者の保護者の方と子どもたちにインタビューをさせていただきました。

■水野理事長 インタビュー (以下、敬称略にて「水野」)

つなぐ 「最初にですが、ユニークな団体名ですよね、その由来や込めた思いなどをお聞かせいただけますか?」

水野 「きらきら蛙という名前には“無事、家に帰る、若返る”という意味が込められています。センターに通う方がきらきらになって無事に家に帰って頂くことを願って活動しております。」

つなぐ 「なるほど、素敵なネーミングですね。それでは、きらきら蛙発足の経緯を教えてくださいますか?」

水野 「娘が幼稚園時代にママ友の依頼でグループホームの食事作りのボランティアをしました。それが障害者の方と接する機会となりました。きらきら蛙発足は障害を持つお子様のお母様からの要望がきっかけではありましたが、自分も子どもたちと接する中で子どものうちに支援をする大切さに気付いたことによるものです。
幼少期に上手に親に甘えたり、色々な挑戦、経験を積むことなく成長した結果、大人になってから心に傷を負っていたり、自立できずに事件を起こす人が多いことに気づきました。毎日センターに通い人と関わることで、親以外の大人とも信頼関係を持って生きていくことを学んでほしい。それが自立への道になると思います。」”

つなぐ 「そうなんでね、お母様としての出会いに中での気づきが強い思いになったのですね。そして、その思いを実行に移された。もう少し、理事長ご自身のことをお聞かせください。そのエネルギーはどこから来るのでしょうか?」

水野 「私でも必要としてくれる人、待ってくれている人がいると思うと人との触れ合いの楽しさを実感します。
そして人と人とが触れ合う中で人が喜んでいる姿を見ると働く糧となります。」

つなぐ 「それでは、その触れ合っている人についてお聞かせください。まずは、ボランティアスタッフさんについて。」

水野 「七宝町の野菜を使い、くいしんぼうクラブの方たちが食事を提供して下さっています。
ボランティアの方は随時募集しています。よろしくお願いいたします。」

つなぐ 「名古屋市熱田区周辺のご興味にある方は是非!(笑)
それでは、サービスをご利用されているみなさんとの関係はいかがですか?」

水野 「初めて会う時には常に戸惑いはありますが、距離感を大事にしながら遊具などを使い少しずつ関係性を築くようにしています。時間をかけながら今ではとても良好な関係を築いています。」

つなぐ 「まさに楽しさを感じ、そして糧になっていらっしゃるのですね。
次に、その関係性を築く場でもあるのでしょうか、今回の助成させていただいた体幹トレーニングの事業をなぜ始めようと思ったのかを教えてくださいますか?」

水野 「本を読んで自分なりに勉強した結果、障害のある子どもたちの運動不足の問題に思い当りました。
例えば、人とコミュニケーションを取る時に子どもたちはどれ位の力加減で呼び止めていいのか分からずトラブルになることがあります。トンと触れることができず激しく叩いてしまい相手を驚かせてしまう。そんな経験はより子どもを臆病にして社会との交流を阻んでしまいます。
体幹トレーニングで体幹を鍛えることにより、バランス感覚を身につけ、健康な体つくりに役立てたいと思います。」

つなぐ 「なるほど。本日は第二回目になりますが、一回目のトレーニングはいかがでしかた?」

水野 「外部講師をお呼びしたことで、いつもの職員とは違うアプローチができ、利用者様が新鮮な気持ちで前向きに取り組めていました。」

つなぐ 「今回もさらに新たな成果が期待できそうですね。
それでは最後に、この事業やNPO法人として今後目指していること、夢などはお聞かせください。」

水野 「まず事業としては、今年度を通じて、利用者様一人一人としっかり向き合い地域や社会との交流に積極的に関わりたいです。
そして、今後目指しているのは、子どもたちひとりひとりの個性を大切に、経験していないことをたくさん経験させてあげたい。そして楽しく生きること、人を信じる気持ちを育て、いずれは就労に繋げていきたいと願っています。そして障害のある子どもの自立を目指し、これからもきらきら蛙が皆様の支援に携わり、広がっていけたらと思います。」

つなぐ 「素晴らしい目標、取組みですね。本日はありがとうございました。」

■講師インタビュー(インストラクター坪内恵美先生)

つなぐ 「きらきら蛙さんとのご縁も含め、坪内先生についてお聞かせくださいますか?」

堀内 「理事長のお嬢様の幼稚園時代に体育時間で体操を教えたことが出会いでした。
私はずっと子どもたちに体を動かす楽しさを伝えたいと活動しております。特に障害のある子どもたちが出来なかったことが出来た時の喜びはお互いに大きく自分の指導の原点であると思っています。
自分が楽しくなければ周りも楽しくない!をモットーに皆様に楽しさ、喜びを伝えていきたいです。」”

つなぐ 「なるほど、それが、坪内先生の明るい、プラスのオーラの原点なのですね。
それでは、次に体幹トレーニングの効能を教えてくださいますか?」

堀内 「体幹が弱いと末端の感覚も弱くなるため不器用になります。手で触って部位を意識させていくことが体幹を鍛えることにも繋がります。
私は常にやっていくもの全てが体幹に繋がるように意識しています。今日はバランスボールを中心にやります。」”

つなぐ 「なるほど、楽しみながら鍛えられるのは本当に良いですね。
子どもたちへはどのような思いを持っていらっしゃいますか?」

堀内 「こども全般に言えるのは上手でなくて良いので体を動かすことが好きであってほしい。
一瞬でも良いので子どもたちがきらきらできるプロフラムを考えていきたいです。」

つなぐ 「今年度を通した抱負や思いなどもお聞かせくださいますか?」

堀内 「今日のイベントを通年の活動にできたらと思っています。」

つなぐ 「子どもたちにとって、先生にとっても、是非素晴らしい活動にしてください。
貴重なお時間ありがとうございました。」

■参加者インタビュー(保護者)

参加者である子どもたち保護者の方お一人にお話を伺いました。

つなぐ 「体幹トレーニングでどんなことを期待されていらっしゃいますか?」

保護者 「楽しんでもらえたら、それが一番です。」

つなぐ 「そうですよね。今後は、どんなサービスがあったら良いと思いますか?」

保護者 「水泳です。」

つなぐ 「今度は少し大きな質問をさせてください。
子どもたちにどんな社会を引き継ぎたいですか?どんな社会になってほしいと思われますか?」

保護者 「この子たちが生きやすい社会になってほしい。就労についても心配です。
怖い思いをしても言葉に表現できない子どもが身を守るのは難しい。
子も親も信用できる人、障害のあるものを理解してくれる人が増えて自然に助け合える社会になってほしいです。」

つなぐ 「そのためにはどんな事が必要だと思われますか?」

保護者 「理解してもらうことが必要です。教科書通りではありません。思い込みレッテルを貼らないでほしい。
そのためにはもっと気軽に交わることができる場所があればと思います。」

つなぐ 「その通りですね。この事業の拡がっていき、そのような場になっていけばよいと思います。
ありがとうごございました。」

■参加者インタビュー(子ども)

つなぐ 「きらきら蛙は好きですか?」

ご利用者 「はい!」

つなぐ 「どんなところが好きですか?」

ご利用者 「楽しいところ!」

つなぐ 「体幹トレーニングは面白いですか?」

ご利用者 「今日のトレーニングは面白かった。」

つなぐ 「役に立ったとか、良かったと感じたことは?」

ご利用者 「家でも腹筋もしないので良い運動になりました!」

つなぐ 「次回も参加したいか?」

ご利用者 「はい!」

つなぐ 「お答えくださったますみ君。元気いっぱいにお返事下さいました。
とっても楽しかったのですね! ありがとう!」


取材を終えて

寄贈したバランスボールを有効に利用いただき子どもたちのきらきら笑顔が弾けるトレーニングとなりました。

素敵な理念、スタッフで運営されているきらきら蛙さん。
こんな団体が、各地域にたくさん出来て、コミュニティの中で手を携えていくことができたら。
そして、そんな団体とコミュニティが地域の枠組みを越えて連携していったら。
きっと日本という社会は、今よりもっと素晴らしいものになる。

そんな大きな夢を抱くことができた取材でした。

水野理事長はじめきらきら蛙のスタッフの皆様、坪内先生、そして保護者の皆様、お疲れ様でした。
取材へのご協力ありがとうございました。

 

(取材・撮影: 「つなぐ」こと、立木順子、黒川奈津美)

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