つなぐいのち基金 コンセプトムービー
設立趣旨
私たちの日本は、相対的には確かに平和で豊かな社会であると言えるでしょう。特に戦後の復興そして高度経済成長から、世界第2位の経済大国となり、充実した社会保障制度のもとで暮らしていくことができた高齢の人たちにとっては全般的にそのようなことが言えるだろうと思います。
しかしながら、最近の数十年に私たちの国が直面する課題は、急激な高齢化、人口・労働人口の減少、長期にわたるデフレ、国家の危機的な財政状況や社会保障制度などなど困難な問題ばかりです。
そして、このような社会が抱える困難のツケの多くの部分は豊かな高齢者層ではなく、未来~つまり子どもたち~に回される可能性が高いのではないでしょうか。
社会的な弱者である子どもたちは、豊かで余裕のある社会においては必要なサポートを享受できるはずです。
しかし、社会は余裕がなくなると、未来にツケを回し今日を優先させます。まさに日本はそのような状況に置かれているのではないのでしょうか。文句が言えず、選挙権がない子どもたちよりも、投票につながる高齢者への支援が優先される社会にあっても、心ある、節度ある日本人はそのことを見抜いているはずです。
私たちの国が未来においても豊かであってほしい多くの人たちは望んでいるはずです。
困難を引き受けられない大人や、そのしわ寄せを受ける子どもたちは、これからの社会で増えてくるのではないかと感じています。同じこの国に生まれ育った人たちの人生が、結果は不平等であったとしても、機会は平等であるべきだと信じています。
私たちは、人生のゴールに近づく時期を生きる心ある高齢の方々から、人生のスタートラインには立った、でも大きなハンディを背負って生きている子どもたちに対し、「バトン」を渡すというイメージで活動をスタートしました。
これからの日本を創り上げる子どもたちの未来なしには、私たちの国は豊かであり続けることはできません。
未来が危機に瀕しているのです。豊かな社会に暮らすことができた私たちのいのちから、生まれてきたけれど何らかの困難を伴った子どもたちのいのちへ、いのちをつなぐというコンセプトのもとで、こどもたちに対する支援活動を行っていくのが、つなぐいのち基金です。
みなさまの暖かいまなざし、そしてお力添えを心よりお願い申し上げます。