難病児とご家族の「夢の東京旅行」交流会の取材
かねてから願っていた出会いを果たした難病児とご家族の素敵なコミュニティ
公益財団法人つなぐいのち基金の助成先である公益社団法人ア・ドリームア・デイIN TOKYOさんの難病児とご家族の夢の東京旅行の初日交流会に実際にお伺いし、取材をさせていただきました。
「今日初めて会った」
10月初旬、ホテルエミオン東京ベイに5家族が集まりました。
一度に5家族を引き受けるのはドリーム・ア・デイ IN TOKYOにとって初めての試みです。
到着したのは家族ごとにバラバラでしたが、皆が表情を和ませあまりに打ち解けていたので「今日初めて会ったんですよ」と言われるまでは彼らが初対面であることは気が付きませんでした。
この5家族はSNS上で知り合いましたが、離れた場所に住んでいるため、又、子どもたちの体調を考慮し、家族同士で会いたいけれど会えないという難しさがありました。
今回、かねてから願っていた出会いを果たした家族とボランティアとしての参加者に話を伺いました。
ー原口さん家ー
私 : どうしてこの旅行に参加したのですか?
原口さん:子どもに刺激を与えたくて。
ここにいる子たちは似たような病状だから、耳は聞こえないし、目は見ることは出来ないけど会って伝わるものがあると思うんです。
あとは兄弟と一緒に思い出づくりをしたくて参加しました。
私 : では実際に他の家族と会ってみていかがですか?
原口さん: 初めて会った気がしませんでした。
これはきっと会う前からSNS上で皆と会話していたからかなぁと思います。あとはとても心強いです。
私 : 皆さんと会ってみてどんなお話をせれましたか?
原口さん: 子どもが急変した時にどんな処置をしているか。
この子たちの病気は難病であまり情報がないから情報共有をしました。あとは医療のことだったり、旦那さんのことですね(笑)
私 : 旦那さんのこともお話されるんですね。(笑)
では最後に、今回は旅行という形でみなさんが集まられたと思うのですが、他にこんな企画があったらいいなぁと思うものはありますか?
事務局の方は美容の機会とかがあったら嬉しいのかな、という風にお話していたのですが。
原口さん: 確かにそういった機会があれば嬉しいです。
でもエステとか美容院とか絶対行ってきて!という「絶対」な機会であれば行きやすいかもしれないです。あとは子どもがいないところでお母さんだけで話してみたい。
この子(原口さんのお子さん)は耳は聞こえないけどやっぱりどこかで聞こえていると思うし、だからこの子の前では話すことをためらってしまうことをお話出来る機会があれば嬉しいです。
ー中島さん家ー
私 : 今回はどういった経緯でこの旅行に参加されたんですか?
中島さん: ここにいる家族とはフェイスブックで知り合って、そこから連絡をとりあうようになりました。
皆住んでいる地域がバラバラで会いたいけど会えなかった。この子達の重症化のスピードはすごく速くて、子どものリスクはあるけどやっぱり会ってみたくて。
私たちはこの子達を「キセキの仲間」って呼んでいるんです。今回の旅行は夢の国で過ごすからここでこの子達にキセキが起きて欲しい。だから今回参加させてもらいました。
私 : 実際会ってみてどうですか?
中島さん: 会えていることがまだ信じられないし只々嬉しい!
状況が皆似ているから不安に感じることとか共感できることが多くて、感激するし、感謝でいっぱいです。
私 : 皆さんとはどんな話をされているのですか?
中島さん:この病気が発症するもとの話だったり、変化の話をしました。
やっぱり病気にかかってすぐの頃は辛かったけど最近、話せるようになってきました。あとは急変したときの後悔の話。
私 : 詳しく伺ってもよろしいですか?
中島さん: 子どもがICUに置き去りにされてしまって、そばに居てあげることができなくて。
その時の後悔があるからこそ一日一日を大切にしようと思えるんです。
私 : それでは最後に、今回は旅行でしたが他にこんな企画があったら嬉しいという企画はありますか?
中島さん: 子どもとお母さんだけの時間があれば嬉しいです。
兄弟の面倒を見てもらっている間にお母さんと子どもだけでママランチをしてみたいです。
他のご家族にもお話を聞きましたが、共通して「前から会いたかった」という願いがこの旅行を通じて現実になり、嬉しいとの声が多かったです。
情報交換を行う貴重な機会でもある、という風にも言っていました。
ーボランティアのNさんー
私 : Nさんはどういった経緯でこの旅行にボランティアとして参加を決められましたか?
Nさん: 奥さんがくも膜下出血で倒れたことがあって、そこから自分に出来ることは何か考えるようになって、このボランティアを見つけました。
私 : どういった時に難しさを感じますか?
Nさん: 子どもが乗れないものの理解をすることだったり、やってあげたくても出来ないことが多くて、その壁にぶつかると難しいと感じますね。
私 :ではこれからの課題としてどんな点があげられると思いますか?
Nさん: 周りの人の関心を広げていくことですね。
ここのボランティアに参加している人は関心があるから参加しているので、参加していない人たちにどうアプローチするかが難しい点です。
今回は難病児が対象でしたが、こういった関心は高齢者問題にもつながると思います。
高齢化社会の中で生きている私たちは高齢者の負担部分を支える責任があります。
どういう風に支えていくか考えていかなくてはいけないところだと思います。
現場にいるからこそ感じるもの
事前にア・ドリーム・ア・デイ IN TOKYOにてお話は伺っていましたが、現場にいるからこそ感じるものが多くありました。
ここでは旅行が「会いたい」という願いをかなえられるものとして参加者を幸せにしていました。
旅行のみならず、今回ご家族の中から提案として出てきた機会がこれからどんどん実現化されていくことで、心強いと思える人々との出会いを増やすことが出来るのではないでしょうか。
【三日間のスケジュール】
一日目 … エミオン東京ベイ集合
二日目 … ディズニーランド周遊
三日目 … ディズニーシー周遊
ア・ドリームア・デイIN TOKYO 事務局長への取材レポートは コチラ >
コロナ禍で頑張る団体特集 取材レポートはコチラ(Coming Soon)
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現状を打破するため今できる取り組みの一つ、難病児にラガーマンがエールを送るプロジェクト!
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