次代へのメッセージ

あんくる株式会社会長 嶋本淳一さん

 

1997年の創業以来、「健康は口に入れるものから」をコンセプトに、厳選された素材の旨味と栄養価を十分に生かした100%手作りの本格カレーを安く提供しつづけることで、味・健康面に気を配ったカレーを通じて人と人との出会いの場を作り、また、障害者施設への訪問等、社会貢献活動が評価され、市制35周年を記念した人間博覧会(北九州を元気にする100人)に選ばれた、あんくる株式会社の島本会長のお話をお伺いしました。

 
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あんくるカレーとても美味しいですね、秘訣は何でしょうか?

 
無添加で天然の素材をしっかり煮込んでいるので、いくら食べても胸焼けはないです。玉ねぎは50%近く入っており、作る時には必ず般若心経をあげたり賛美歌を歌ったり、自分で勉強したものを色々と中に入れていて、そうするとカレーが語りかけてくるんですね。
人に言ったら笑われますけども、今が一番美味しい時だから火を止めてとか、もう少し煮込んで、というように。そんな諸々で味が決まるのではないかと思います。
 

体に優しいカレーを作ろうと思われたきっかけは何ですか?

 
47歳まではスパイス専門会社をして大阪か東京の真ん中でビルを建てる勢いでお金を一生懸命稼いでおりました。ですが、47歳で倒れ、5年入院し、その後にも東京で1度倒れてホテルから一番近かった救急病院に運ばれました。30分違いで命を救われました。
入院中、最初の1〜2ヶ月は色々な方がお見舞いに来られたのですが、一時を過ぎると本当の付き合いのある方しかいらっしゃらず、あれやこれや考えて落ち込んだりしました。
命を助けられ「これは何かあるんだろうな?」と思い、それからは「自分が求めるものは何なのか?」という事を考える様になりました。
そして「もうお金じゃない、この時代お金を儲けてもしょうがない。」と思い、本当に困っていらっしゃる方、私共がお手伝い出来る形の何かがあればと考え、スパイスの会社をしていた時に、そのままの素材で作り、添加物を使わないインドのカレーをいろいろと食べた事から、無添加で体に優しいカレーを作ろうと開発しました。
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第1店舗目を国立病院近くに作られたのもご病気の方にも食べていただきたかったのですね。

 
1店舗目を出す前に自分も、自分の子供も1週間食べて飽きがこなく体によければ出して行こうと思い、毎日毎日カレーを食べました。毎日養食しましたら、風邪をひかなくなりました。今日ある私の健康も、体を害し、本当に体に良いものをと作ったカレーによって救われ支えられましたので、健康な方も、病気の方も召し上がっていただければと。
国立病院は大学から医学部に来られる方が多く、医局が患者に「北九州に行ったら、あそこのカレーを食べなさいよ、あれだったら良いよ。そのかわりごはんの量だけ減らしなさい。」とおっしゃりお店にはお医者さんと患者さんがいたりと。小さなお店ですから、毎日100人来て頂ければ御の字かなと思っていたのですが、実際は500人位来てくださって。そういった経緯もあり、口コミで一気に広がりました。
最初にお話ししましたように私は命を救われたものですから、店をオープンしてからの1週間分の売上金は福祉に寄付をしました。
 

カレーを通じた社会貢献、あんくるカレー工場もその一つですね。

 
私共がお手伝い出来る事は何なりとという想いで行動しておりました時に、施設の方々ともお知り合いになれて、色々承りました。
あんくるカレー工場は、障碍のある方が、自立した日常生活を営むことができるように就労の機会を提供し、生産活動での知識や能力の向上に必要な訓練を適切かつ効果的に行っています。
様々なお話しを頂きますが、「うちのカレーは儲からないので、利益追求のビジネスには向かないですよ。」とお話ししております。
本当に障碍のある方の施設やお子様の為に、という方に対して全面的に出来る事をさせて頂くという事で今日があり、私に出来る事をその場でさせて頂くだけですから、今あるがままの、生きているがままに、そのままで、それ以上もそれ以下もございません。
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*** 感想 ***

製造工場で働くスタッフの多くは障碍を持った方々です。1万食当たり、5-6人の雇用を生むことができます。衛生面の管理は通常以上に徹底しており、安心な安全カレーです。
(訪問した工場以外でも全国の障がい者施設11施設で製造されています)
カレーを通し、頂いた命を人の為になる事にと謙虚なお気持ちを常にもたれ粛々と実行なさる姿は、子供たちへ、又私たち大人へのメッセージと受け止めました。
優しさや、想いが込められているからこそ嶋本会長のカレーはとても美味しいのですね。
 

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